日本語ある夜の、星空の下での出来事です。クマのプーさんは散歩をしていました。プーさんがピグレットの家の近くまで来ると、ピグレットがピョンピョン、飛び跳ねていました。 ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ、も一回ジャンプ。 「何をしてるの?」 プーさんはピグレットに聞きました。 「こんばんは。プー!」ピグレットは答えながらも、ジャンプし続けました。 「こんばんは。で、何をやってるの?」 「星を取りたいんだ。」 「星を?」 「そう。なんとか取りたいんだけど。」 「う~ん、君には無理じゃないかな。君は小さいもの。僕は君より大きいから、僕がやってみるよ。」ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ、も一回ジャンプ。 でも、プーさんも星を取ることができません。 「なんで、取れないのかな?」 .「僕、プーがジャンプしてる間、考えてたんだ。長い棒で星をつついたら、落ちてこないかな。」 「うん。やってみよう。」 二人は長い棒を探しましたが、見当たりません。そこで、二人はノース・ポールを使うことにしました。プーさんが棒を持って・・・ つん、つん、つん、も一回、つん! それでも、星は落ちてきません。 「なんで、落ちてこないのかな?」 「たぶん、星はすごく遠くにあるんだよ。」 「じゃ、手に入らないの?」ピグレットは悲しくなりました。 「泣かないで、ピグレット。ねぇ、木に登ってみたら取れないかなぁ。」 「うん。やってみよう。」 二人はあたりで一番高い木に登り始めました。 どんどんどんどん、登りました。 真ん中あたりで、少し疲れたので、休憩しました。そのぐらい、大きな木だったのです。 それからまた、どんどんどんどん、登りました。 そして、とうとう木のてっぺんに着きました。二人は星のほうへ手を延ばしましたが、手に触れるものは何もありません。もっと、遠くへ手を延ばしましたが、やっぱり何もありません。 「何でなんにもないのかな。」 二人は木のてっぺんで、どうやったら星を取れるかを考えました。たまに風が吹く音が聞こえるだけで、あとは星が輝いていました。それは、とても美しい夜でした。 突然!二人が座っていた枝が折れて、プーさんが落ちてしまいました! 「大変だ!プー!!」 ピグレットは叫ぶと同時に、急いで木を降り始めました。 「プー!プー!大丈夫?大丈夫かい!?」 「いいこと考えた・・・」 「えっ?」 「頭をぶつけたとき、思いついたんだ。」 「頭をぶつけたの!?」 「オウルに頼めばいいんだよ。オウルは飛べるだろ。オウルは木より高く飛べるから、星を取ってきてくれるように頼めばいいんだ。」 「プー!君はなんて頭がいいんだ!!」 プーさんとピグレットはオウルを訪ねました。もちろん、オウルは起きてきました。 「星を取る?ふん!」 オウルは小ばかにしたように言いました。 「できるかい?」 「できるかだって?」今度は怒ったようです。 「私にはできないことなどない。君たちはバカだから、できないことがたくさんあるだろうがね。」 「ねぇ、星を取ってきてくれる?」 「もちろん。おバカな君たちのためにね。」 プーさんとピグレットは、ピグレットの家の近くで、オウルが戻ってくるのを待つことにしました。 あたりはだんだん明るくなり始めました。太陽がのぼろうとし、星は消え始めました。 「星が消えていくよ。」 「オウルは取ってこれたかなぁ?」 「さぁ・・・」 そこへ、「おはよう」とクリストファー・ロビンがやってきました。 「おはよう。」 「何をしてるの?」 「オウルを待ってるんだ。」 「ふうん。なんか約束でもあるの?」 「うん。オウルが星を取ってきてくれるんだ。」 「星を?」 クリストファー・ロビンは笑い始めました。そして、誰も星を取るなんてことはできないと、二人に教えようとしました。でも、ちょっと考えて、その代わりにポケットから石を取り出しました。 「実を言うとね、この石は星なんだ。」 「この石が?」 「光ってないよ。」 「だって、もう夜じゃないからね。星は、昼間、光らないよ。」 「どこで手に入れたの?」 「それは、ひみつ。」 「でも、僕も星がほしいんだよ!」 「ん~、じゃあ、これをあげるよ。だったらいい?ピグレット?」 「ほんとに?もらっていいの!?」 実は、その石は夜光塗料を塗った石でした。 ピグレットは、夜が来るのを楽しみに待ちました。 オウルはまだ、帰ってきていません。 |