070664 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Rainbow Meister

Rainbow Meister

日本語

ある夜の、星空の下での出来事です。
クマのプーさんは散歩をしていました。プーさんがピグレットの家の近くまで来ると、ピグレットがピョンピョン、飛び跳ねていました。
ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ、も一回ジャンプ。
「何をしてるの?」 プーさんはピグレットに聞きました。
「こんばんは。プー!」ピグレットは答えながらも、ジャンプし続けました。
「こんばんは。で、何をやってるの?」
「星を取りたいんだ。」
「星を?」
「そう。なんとか取りたいんだけど。」
「う~ん、君には無理じゃないかな。君は小さいもの。僕は君より大きいから、僕がやってみるよ。」ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ、も一回ジャンプ。
でも、プーさんも星を取ることができません。
「なんで、取れないのかな?」
.「僕、プーがジャンプしてる間、考えてたんだ。長い棒で星をつついたら、落ちてこないかな。」
「うん。やってみよう。」
二人は長い棒を探しましたが、見当たりません。そこで、二人はノース・ポールを使うことにしました。プーさんが棒を持って・・・
つん、つん、つん、も一回、つん!
それでも、星は落ちてきません。
「なんで、落ちてこないのかな?」
「たぶん、星はすごく遠くにあるんだよ。」
「じゃ、手に入らないの?」ピグレットは悲しくなりました。
「泣かないで、ピグレット。ねぇ、木に登ってみたら取れないかなぁ。」
「うん。やってみよう。」
二人はあたりで一番高い木に登り始めました。
どんどんどんどん、登りました。
真ん中あたりで、少し疲れたので、休憩しました。そのぐらい、大きな木だったのです。
それからまた、どんどんどんどん、登りました。
そして、とうとう木のてっぺんに着きました。二人は星のほうへ手を延ばしましたが、手に触れるものは何もありません。もっと、遠くへ手を延ばしましたが、やっぱり何もありません。
「何でなんにもないのかな。」
二人は木のてっぺんで、どうやったら星を取れるかを考えました。たまに風が吹く音が聞こえるだけで、あとは星が輝いていました。それは、とても美しい夜でした。
突然!二人が座っていた枝が折れて、プーさんが落ちてしまいました!
「大変だ!プー!!」
ピグレットは叫ぶと同時に、急いで木を降り始めました。

「プー!プー!大丈夫?大丈夫かい!?」
「いいこと考えた・・・」
「えっ?」
「頭をぶつけたとき、思いついたんだ。」
「頭をぶつけたの!?」
「オウルに頼めばいいんだよ。オウルは飛べるだろ。オウルは木より高く飛べるから、星を取ってきてくれるように頼めばいいんだ。」
「プー!君はなんて頭がいいんだ!!」

プーさんとピグレットはオウルを訪ねました。もちろん、オウルは起きてきました。
「星を取る?ふん!」
オウルは小ばかにしたように言いました。
「できるかい?」
「できるかだって?」今度は怒ったようです。
「私にはできないことなどない。君たちはバカだから、できないことがたくさんあるだろうがね。」
「ねぇ、星を取ってきてくれる?」
「もちろん。おバカな君たちのためにね。」

プーさんとピグレットは、ピグレットの家の近くで、オウルが戻ってくるのを待つことにしました。
あたりはだんだん明るくなり始めました。太陽がのぼろうとし、星は消え始めました。
「星が消えていくよ。」
「オウルは取ってこれたかなぁ?」
「さぁ・・・」

そこへ、「おはよう」とクリストファー・ロビンがやってきました。
「おはよう。」
「何をしてるの?」
「オウルを待ってるんだ。」
「ふうん。なんか約束でもあるの?」
「うん。オウルが星を取ってきてくれるんだ。」
「星を?」
クリストファー・ロビンは笑い始めました。そして、誰も星を取るなんてことはできないと、二人に教えようとしました。でも、ちょっと考えて、その代わりにポケットから石を取り出しました。
「実を言うとね、この石は星なんだ。」
「この石が?」
「光ってないよ。」
「だって、もう夜じゃないからね。星は、昼間、光らないよ。」
「どこで手に入れたの?」
「それは、ひみつ。」
「でも、僕も星がほしいんだよ!」
「ん~、じゃあ、これをあげるよ。だったらいい?ピグレット?」
「ほんとに?もらっていいの!?」

実は、その石は夜光塗料を塗った石でした。
ピグレットは、夜が来るのを楽しみに待ちました。
オウルはまだ、帰ってきていません。


© Rakuten Group, Inc.